ロッテやエステー、コカコーラ、ルイヴィトンなどさまざまな企業のデザインに携るnendo代表の佐藤オオキさんの著書。
同時に400ものプロジェクトを抱える人気デザイナーがどんな思考でデザインを考えているのか実際にデザインした事例とともに紹介されています。
ユーモアのある例え話が多く読んでいで面白いです。
\ こんな人にオススメ /
- 問題を解決するためのヒントが知りたい人
- アイディアが浮かばない人
- 売れる商品を作るための考え方を知りたい人
この本はデザイナーだけでなく、問題解決に携る人にはとても参考になる本だと思います。
Contents
「問題解決ラボ」の基本情報
書籍名 | 問題解決ラボ 「あったらいいな」をかたちにする「ひらめき」の技術 |
著者名 | 佐藤オオキ(デザインオフィスnendo代表) |
発行所 | 日本経済新聞出版社 |
出版日 | 2020年3月4日 |
この本は2015年にダイヤモンド社から刊行されたものを文庫化したものです。
目次
- 第1章 デザイン目線で考えると、正しい「問い」が見えてくる
- 第2章 デザイン目線で考えると、ありそうでなかった「アイディア」が見えてくる
- 第3章 デザイン目線で考えると、ホントの「解決法」が見えてくる
- 第4章 デザイン目線で考えると、刺さる「メッセージ」が見えてくる
- 第5章 デザイン目線で考えると、見えない「価値」が見えてくる
「問題解決ラボ」の紹介

どんなビジネスにおいても、問題を解決する、そのためにアイディアを考えるということはあると思います。
お客さんの抱える問題や課題を解決する、社内の問題を解決する・・
そんなとき、「デザイン目線」で考えてみる。
新しい視点での問題解決に必要なものこそ「デザイン目線」であると。
デザインやアイディアというとデザイナーだけの仕事と考えがちですが、
デザイン目線はデザイナーだけができる特殊なスキルではないと書かれています。
この本で紹介されている内容は、デザイナーだけでなく「考え方」の部分はどの職種にも共通していることだと思います。
問題を解決するための考え方のヒントになるような本です。
1つ1つの話が4ページくらいにまとめられていてとても読みやすかったです。
そしてユーモアのある例え話が多く読んでいで面白いです。
ちなみに本の冒頭はトイレの話から始まります・・笑
「問題解決ラボ」のポイント

この本を読んで特に気なったポイントをご紹介します。
「スキマ」をよく見て、埋めていく
新しいものやアイディアを考えるときは、突飛なものを作ろうとしないこと。
ものとものの「スキマ」をよく見るのが効果的。
商品Aと商品Cの間はどのくらいすスペースがあるのだろうか、
どのくらい深いスキマなんだろうかと考える。
商品とユーザーの求めているもののスキマを見る。
本来はそこにあるはずなのに、なぜかないものを「補充する」くらいの感覚で考える。
センスよりも「好き」でいれるかがカギ
「自分にはセンスがないから(できない)」という人がいるが、
センスよりも「好き」でいつづけることこそが問題発見やアイディアだしにおいて重要。
好きでいることを日々意識するようにする。
「ほどく」作業ですでにあるモノを棚卸しする
問題を解決する際、それぞれの問題が複雑に絡み合い、こんがらがった糸のカタマリのようになっていることが多い。
それをクライアントと一緒に「ほどく」作業が必要。
その会社が持っているポテンシャルに当事者が気づいていないことは、案外多い。
その人たちが持っている本質的な価値をどうつかむかが最初のプロセス。
「どう見られたいのか」を把握することがブランド戦略の始まり
商品力は高いのに、その魅力をユーザーに伝え切れていない場合は、
「自分が人からどう見られているのか」と「どう見られたいのか」がわかっていないことが多い。
これを把握することがブランド戦略の始まりになる。
イイところを探すことから始める
デザインをするときには、まずそのデザインも対象商品あるいは企業のイイところを探すことから始める。
いいところが何一つないと思える事柄にも、ちゃんと探せすれば何かしらあるもの。
たいがい欠点の近くに潜んでいるか欠点自体が「いいところ」だったりする。
「1%のデメリット」も残さず伝える
たとえ1%でもデメリットがあれば必ずオープンにする。
オープンにすることで結果的にクライアントから信頼されるようになり、先方も正確な情報で判断できるようになる。
「問題解決ラボ」とあわせて読みたい本
「問題解決ラボ」は、問題を解決するための考え方やアイディアの発見について参考になる本でした。
「売れる」商品を作るにはどうすれば良いか、ブランディングの重要性について書かれている水野学さんのこちらの本もオススメです〜!