筑波大学准教授でメディアでも活躍する落合陽一さんのビジネス書。
今、世界ではどんなことが起きているのか?
そして10年後の未来はどうなるのか・・・
今世界で起きている問題や変化、今後の未来についてわかりやすく書かれています。
日々の生活の中で、ついつい自分の目の前のことに囚われてしまいがち。
少し視野を広げて、未来のことを意識して今を考えることも大切だと改めて感じました。
この本では、今世界ではどんなことが起きているのか、
世界地図を用いて解説されているので、一目で全体像が把握しやすいです。
そしてグラフや図を用いてわかりやすく解説してあります。

Contents
地球規模の新しい枠組みSDGs
最近、SDGsのバッジをつけているビジネスマンをよく見かけます。
SDGsの存在は知っているけれど、詳しい内容まではわからない・・という方も多いのではないでしょうか。
この本では、SDGsについての解説や、その内容を元に世界で起きていることや課題に対して深掘りされています。
SDGsの17のゴール
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなにそしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任 つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
- 平和と公平をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
持続可能な世界の実現のために定められた世界共通の目標
達成目標:2030年
193ヶ国の国連加盟国によって採択
国連、NPOに加え企業も策定や運用に関わっている
10年後の2030年はどんな未来になる?

- 培養肉が商用化される
- 空飛ぶ車の実用化
- 各地域のバスやタクシーなど交通機関にも自動運転が導入
- 日本のGDPはインドに抜かれる
- 初の月面基地が完成
- 水素発電の商用化
- 2033年頃に日本の空き家率は30%を超える
などなど・・・
2030年、そんなに遠くない未来。結構大きな変化がありそうです。
こういう未来がくることを頭に入れて、時代に取り残されないようにしないといけないと感じます。
【世界で起きていることを知る】
アフリカは日本よりも進んでいる?!
他の国では今どんなことが起きているのか・・・
特にアフリカの話は興味深かったです。
「近代化」を経由せず現代に至ったアフリカ。
先進国にはない、アフリカの環境だからこそ生まれるアイディアも多く、アフリカがテクノロジーによって変わろうとしている。
- グーグルが気球や小型飛行船を利用した無線ネットワークの構築に取り組んでいる
- フェイスブックが自社で人工衛星を打ち上げて、インフラが整備されていない地域にネットワークを提供するプロジェクトを開始
- ケニアでは全世帯の65%が電子マネー(Mペサ)を利用
→途上国で生まれたイノベーションやアイディアを先進国に持ってくる「リバースイノベーション」が注目されている
アフリカでそんなことが起きているのか・・と驚きました。
テクノロジーによって今後急速に発展していくかもしれません。
【世界で起きていることを知る】
環境問題の現状
- 地球の大気の二酸化炭素は、過去80万年で最も高い数値
- 2100年には、世界の平均気温は4℃上昇する可能性が高い
環境問題が深刻なことはもちろん知っていましたが、この数値は改めて考えさせられるなぁと思いました。
世界全体で解決していかなければいけないこの問題に対して、
それぞれの国の歴史や背景によって考え方や思惑が違うところが難しい・・・
一つの出来事に対して、なんでそうなったのか、どういう考え方なのか、その背景も含めて理解する必要があると感じました。
- ヨーロッパ
→テクノロジーや資本主義を法律や条約によって規制することで、自然環境保護を促す
- アメリカ
→テクノロジーや資本主義を加速させることで自然環境を保護するイノベーションを生み出そうとしている
- 中国
→太陽光パネル生産量世界1位。ユーラシア大陸を横断して中央アジアへ電力を送り込む経済圏の構築を目指している
ヨーロッパ、アメリカ、中国 それぞれの経済の方向性
- ヨーロッパ
→2000年以上の伝統を積極的にブランディングしてきた長い歴史
→文化的価値や機能的付加価値をつけることで、高い利益率を実現する
- アメリカ
→商品を一定期間で使い捨てる「消費」と、無限に需要を創出する「流行」が定着
(大量生産、大量消費のサイクル)
→現実とデジタルの境界面を制すことで市場の寡占を目指す - 中国
→巨大な人口を背景にした安い労働力による利益率の向上と国家による市場の囲い込み戦略
日本の居場所はどこにある?
世界の考え方を理解した上で、日本の居場所はどこにあるのか・・・?
ヨーロッパ・アメリカ・中国、それぞれの中間的な所に日本の居場所があると書かれています。
安いコスト競争や、グローバルなトップ争いに参入するのではなく、文化とテクノロジーの両輪で付加価値を上げていくことがカギ!
グローバルなトップ争いに参入するよりも、ローカリティを活かして思いもよらない方向への進化に勝ち筋を見出す、つまりそれまでのゲームのルールとは異なるルールを生み出すような発酵的なイノベーションこそが鍵となる。
まとめ
まずは今どんなことが起きているのか「正しく知る」ことが大切だと感じました。
そもそも知らないと考えることすらできない・・・世界のことを知るきっかけとなりました。
自分の目の前のことだけでなく、ちょっと立ち止まって世界を俯瞰して捉えてみる。
その上で、未来の世の中を想像して自分のことに落とし込んで考えてる・・・
今後の人生において後悔しないように生きる、そんなヒントが書かれている本だと感じました。